「MEC Award 2018(Media Explorer Challenge Award 2018)」

MEC Award 2018(Media Explorer Challenge Award 2018)入選作品展

2018年3月17日(土)~4月8日(日)

Explorer(エクスプローラー)とは、冒険者、探求者という意味です。 SKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ 映像ミュージアムでは、2012年から、映像表現の明日を担う才能を発掘、積極的にバックアップする公募展「MEC Award—Media Explorer Challenge Award—」をスタートさせました。
本年度も、新しい映像表現の可能性に果敢にチャレンジする数々の作品から選ばれた、入選5作品を展示します。またMEC Award大賞は、会期初日の3月17日に会場審査を行い決定します。

インフォメーション

会期

2018年3月17日(土)~4月8日(日)

開館時間

9:30~17:00(入館は16:30まで)

休館日

月曜日(祝日の場合は翌平日)

会場

SKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ 映像ミュージアムアクセスはこちら

料金

大人510円・小人250円 (常設展もお楽しみいただけます)

お問い合わせ

映像ミュージアム 048-265-2500

【MEC Award 大賞作品】

「ワタヤ」(2017年/アニメーション/2分05秒)

渡辺 栞
2016年 女子美術大学デザイン・工芸学科ヴィジュアルデザイン専攻 卒業
2016年 東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻 入学(在籍中)

「ワタヤ」
「ワタヤ」

【入選4作品(50音順)】

「10424」(2017年/映像/9分40秒)

今治建城
2015年 東京理科大学基礎工学部電子応用工学科 中途退学
2016年 日本大学藝術学部映画学科 映像コース 編入学(在籍中)

「10424」
「10424」

「CuBerry」(2017年/VR映像/2分30秒)

CuBerry(河原雪花、小林奏子)
2015年 京都市立芸術大学 美術科構想設計専攻(河原)・総合芸術学科(小林) 入学(在籍中)
2017年 映像と音楽の制作ユニットCuBerry を結成。映像作品・MV制作、ライブ活動などを行っている。

「CuBerry」
「CuBerry」

「I'm Alive」(2017年/アニメーション/3分24秒)

清水はるか
2017年 多摩美術大学情報デザイン学科 メディア芸術コース 卒業
2017年 東京藝術大学大学院映像研究科 アニメーション専攻 入学(在籍中)

「I'm Alive」
「I'm Alive」

「群生地放送図鑑」(2017年/映像インスタレーション/4分30秒)

藤倉麻子
2016年 東京外国語大学外国語学部南・西アジア課程 ペルシア語専攻 卒業
2016年 東京藝術大学大学院映像研究科 メディア映像専攻 入学(在籍中)

「群生地放送図鑑」
「群生地放送図鑑」

【佳作13作品(50音順)】

■「Betweener」(2017年/アニメーション/4分25秒)
小林 颯

■「Cで失神」(2017年/アニメーション/10分03秒)
平野正和

■「New World」(2017年/ミュージックビデオ/4分16秒)
久保雄基

■「OUT」(2017年/アニメーション/4分50秒)
松島友恵

■「PHENOMENAL」(2017年/映像インスタレーション/5分37秒)
佐藤洵佑

■「SUTURE」(2017年/映像/5分15秒)
鷲尾 怜

■「荒野に単語がない」(2017年/映像インスタレーション/7分26秒)
楊秦華

■「ここに来るひと」(2017年/映像インスタレーション/11分00秒)
西片 例

■「谺の遺跡」(2017年/映像/3分20秒)
鈴木隆斗

■「サーモンちゃんのあじ」(2017年/AR映像インスタレーション/1分18秒)
佐藤瑠美

■「新開の猫と町と人」(2017年/映像/3分37秒)
古本一樹

■「~亡霊との対話より~斉藤さん」(2017年/映像インスタレーション/13分07秒)
吉田真也

■「リーゼントさんどこへいく?」(2017年/アニメーション/2分42秒)
しょーた

【賞】

■MEC Award 大賞(1作品)
入選作品5点のうち1点に授与。
●副賞:彩の国ビジュアルプラザ内施設の100時間までの無償利用権を授与します。
(利用できる施設:HDスタジオ、映像ホール、編集室、MA室、レンタル機材、他)

■MEC Award 入選(5作品)
入選作品5作品は、「MEC Award 2017入選作品展」2018年3月17日(土)~4月8日(日)にて展示

■SKIPシティCMコミッション(1名/グループ)
入選者の中から1名に、SKIPシティのCM制作を委託
●制作費として30万円(税別)を支給します。
●CM制作において彩の国ビジュアルプラザ内施設を無償利用いただけます。
※本コミッションを依頼する1名/グループの選出はSKIPシティ映像ミュージアムが行います。

【審査員】(50音順・敬称略)

菅野 薫(電通CDC / DentsuLab Tokyoエグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター/ クリエーティブ・テクノロジスト)

■ゲスト審査員
菅野 薫(電通CDC / DentsuLab Tokyoエグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター/ クリエーティブ・テクノロジスト)

テクノロジーと表現を専門に幅広い業務に従事。本田技研工業インターナビ「Sound of Honda/AyrtonSenna1989」、 Apple Appstore の2013 年ベストアプリ「RoadMovies」、東京2020 招致最終プレゼン「太田雄貴Fencing Visualized」、 国立競技場56 年の歴史の最後の15 分間企画演出、GINZA SIX のオープニングCM「メインストリート編」、Björk や Brian Eno やPerfume との音楽プロジェクト等々活動は多岐に渡る。JAAA クリエイター・オブ・ザ・イヤー(2014 年、 2016 年)/ カンヌライオンズチタニウム部門グランプリ/ D&ADBlack Pencil / 文化庁メディア芸術祭大賞/ Prix ArsElectronica 栄誉賞など、国内外の広告、デザイン、アート様々な領域で受賞多数。

講評

ゲスト審査員として初参加させていただきました。普段は広告業界にいて、ビジネスや社会の課題解決に機能する表現について考えているので、MECに応募されている若くて荒削りだけど理屈を越えて感覚的に存在感を感じる映像に触れて、とても新鮮で楽しかったです。制作環境が身近になったことで、小器用な映像作品が増えていますが、シンプルで強くて大胆な挑戦をした作品を評価した審査員の勇気にも感動しました。展示が楽しみです。

塩田周三(ポリゴン・ピクチュアズ代表取締役)

塩田 周三(ポリゴン・ピクチュアズ代表取締役)

2003 年の代表就任以来、海外のTVシリーズや海外市場をターゲットにしたコンテンツ企画開発を推進。アルス・エレクトロニカ賞(オーストリア)、SIGGRAPH(アメリカ)、TBSDigiCon6 他、国内外の有数映像コンテストの審査員等を歴任。2008 年には米国アニメーション専門誌 Animation Magazine が選ぶ「 25 Toon Titans of Asia(アジア・アニメーション業界の25 傑)」の一人に選定された。また、2012 年にTV アニメ「Transformers: Prime」、2017 年に「Lost inOz」各々のエグセクティブ・プロデューサとしてデイタイム・エミー賞を受賞する。

講評

MEC Award 2018の入選作・佳作に選ばれた方々、誠におめでとうございます。今年も多くの魅力的な作品に出会い、他の審査員の皆さんと作品の良い点・欠点、作家の皆さんが表現したかったであろう意図等を徹底的に議論致しました。そのような議論を通して作品の新たな魅力を発見することもあり、個人的に有意義な経験でした。選定にあたりアワードの大きな特徴である作品展示についても色々と想像が膨らみました。「そう来たか!」と予想を上回る素敵な驚きに恵まれることを期待しています。

四方 幸子(キュレーター) Photo: 土田祐介

四方 幸子(キュレーター)

情報環境とアートの関係を横断的に研究、キヤノン・アートラボ(1990-2001)、森美術館(2002-04)、NTT インターコミュニケーション・センター[ICC](2004-10)と並行し、フリーで先見的な展覧会やプロジェクトを数多く実現。近年の仕事に、札幌国際芸術祭2014 アソシエイトキュレーター、KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭キュレーター、メディアアートフェスティバル AMIT(Art, Media and I, Tokyo)(2014-)ディレクターなど。多摩美術大学・東京造形大学客員教授、IAMAS(情報科学芸術大学院大学)非常勤講師、明治大学兼任講師。

講評

全体的に、前年以上にレベルが高かった。作者ならではの世界を持つものが多く、映像に加えて音やパフォーマンス、空間的展開など表現も多様で、きらめく才能がいくつも見られた。映像や映像表現は、現在大きな転換点にある。技術の進化で、個人でもプロ顔負けの作品を作り世界に発信できること。スマホやSNSの浸透で、ヴァーチャルと実空間との境目がほつれ「リアリティ」が大きく変容していること。そのような中、加速化する現代社会をヴィヴィッドに反映したり、批評的に検討する作品とともに、連綿とした人の営みや記憶、歴史、「亡霊」などにじっくり対峙する作品が見られた。白熱した議論の後に選ばれた作品から、その多様性と生々しさを感じてもらえることと思う。

森 弘治(アーティスト)

森 弘治(アーティスト)

映像作品を中心に現代美術の分野で活動。主な展覧会に、第3回恵比寿映像祭、越後妻有アートトリエンナーレ2009、第52 回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際企画展、原美術館「アートスコープ2005/2006」、ジュ・ド・ポーム国立ギャラリー「Burlesque Contemporains」などがある。2016 年には「MOT アニュアル2016: キセイノセイキ」展のディレクションとキュレーションを主導する。また、2009 年にアーティストによる芸術支援システム「ARTISTS' GUILD」を設立。東京芸術大学などで教えたのち、AIT で教鞭を取っている他、アートの実践教育プログラム開発にも携わる。2016 年3 月より1 年間米国MIT にて客員研究員として研究に従事し、今春帰国。

講評

今年のMECアワード応募作品は、巧みな技術と多様なメディアを扱い、より完成された作品が増えたことが印象的だった。それは、高度なデジタル技術へのアクセスが前よりも可能になったことの裏付けのように思えた。中でもショートリストの5作品は、嗅覚を刺激するような表現力を担保し、技術を駆使した完成度の高い作品が選ばれた。各作家の丁寧に描写された問題意識が、独自の世界を作り上げていると感じた。最終的に展示空間で作品がどのように変容するのかとても楽しみである。

【MEC Award アーカイブ】

主催:埼玉県
企画:株式会社デジタルSKIPステーション