動く絵

絵を描くことは、人間が何万年も前から行って来た、最も古い表現行為の一つです。

線を描き、色を塗る。その単純な方法により、私たちは世界のあらゆる事象を描き留めて来ました。そして19世紀に始まる映像技術の発展を経て、アニメーションという複雑な映像表現を生み出すに至りました。

本企画展は、アニメーションの原点である、「絵を描く」ことにこだわり、独自の制作手法で注目を集める4人の気鋭のアーティストをご紹介します。描き、消し、また描き、丹念に描かれた一コマ一コマの「絵」から成る彼らの作品から垣間見えるのは、世界を「絵」として描き留め、「絵」に動きを与え「動画」へと変化させた、人間の持つ創造の「チカラ」そのものであると言えるかも知れません。

芸術の秋に相応しく、一枚の絵画を鑑賞するかの様に、アートアニメーション作品を楽しみながら、私たちのモノを生み出す「チカラ」に思い巡らしてみてください。

【出展アーティスト】


《リーゾー》/2007



《人の島》/2011



たった一枚のキャンバスに対し、「描いては消す」という行為を繰り返しながら、それによって現れる痕跡が画面に蓄積していき、「物語」を生成させて行きます。


ALIMO

山口県出身 1977年生まれ


ALIMO氏インタビュー play


■主な個展

2010年 

「ヒロナガヤマモトアリモチ/」Art Center Ongoing(東京 )

2007年 
「Geopolitics」ヴォイスギャラリー(京都)


■主なグループ展

2009年 

「第12回岡本太郎現代芸術賞」川崎市岡本太郎美術館 (神奈川)


アーティストについて:SNOW contemporary ウェブサイト

 

 

《窓 もしくは鏡》/2010


《stories》/2011 ※参考図版



「時間」の変化によって人の記憶、思いはどう変化していくのか?写真を絵画の様に扱い、レイヤーで区切られた「とき」を作り上げることで、「時間」のかたちを探るインスタレーション。


赤坂有芽

東京都出身 1985年生まれ


赤坂有芽氏インタビュー play


■主な個展

2011年 
「Miniature Garden」ASK? art space kimura(東京)

2010年 
INAX ギャラリー(東京)


■主なグループ展

2009年 
「No man‘s land」旧フランス大使館別館 (東京)

 

《Reflect》/2005


《Whale》/2006



キャンバス上の絵に少しずつ描き加え、写真を撮る。それを繰り返すことで、絵を描くという行為に秘められた、物語的過程を明らかにして行くアニメーション作品。


ヤッコ・オリビエ(Jacco Olivier)

オランダ出身 1972年生まれ


ヤッコ・オリビエ氏インタビュー play

※このインタビューはCENTRO DE ARTE CAJA BRUGOS(略称CAB)でのヤッコ・オリビエ氏の個展に際して制作されました。


■主な個展

2010年
Victoria Miro Gallery(ロンドン)

Centro de Arte de Caja de Burgos(ブルゴス/スペイン)

2007年
「Jacco Olivier: Recent Video Works」Galerie Thomas Schulte(ベルリン)


アーティストについて:Victoria Miroウェブサイト

 


《雲を見ていたら》/2005


《エンゼル》/2008



木炭と白い紙。最もシンプルな画材を用い、動きの痕跡を残して、運動とメタモルフォーゼの中間に位置するような、独特の映像世界を作り出します。


辻直之

静岡県出身 1972年生まれ


辻直之氏インタビュー play


■主な活動

2010年 
「愛知トリエンナーレ」愛知芸術文化センター(愛知)

「瀬戸内国際映画祭」

2007年 
「MediaScope 2007, An Evening with Naoyuki Tsuji」

ニューヨーク近代美術館(ニューヨーク)

2005年
「カンヌ映画祭2005 監督週間」(カンヌ)

アーティストについて:Corvi Moraウェブサイト

関連イベント

特別ワークショップ:絵を動かす
開催日:2011年10月23日[日](講師:ALIMO)、11月6日[日] (講師:赤坂有芽)、11月20日[日] (講師:辻直之)
アーティスト・トーク
開催日:2011年12月4日[日]

ゲスト:ALIMO、赤坂有芽、辻直之

会期

2011年9月10日[土]~12月11日[日]

開館時間

9:30~17:00(入場16:30まで)

休館日

月曜日(祝日の場合は翌平日) ※臨時開館:10月11日[火]、11月14日[月]

会場

SKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ 映像ミュージアム

映像ミュージアム入館料

大人¥500/小中学生¥250(常設展示もご覧いただけます)
※SKIPシティ国際Dシネマ映画祭開催期間中(10月8日[土]~10月16日[日])映画祭の半券チケットで入場無料となります。
※iPhoneの美術館割引アプリ「ミューぽん」をご利用のお客様は、
大人¥100、小中学生¥50割引となります(ご本人を含む3名様分)。


ミューぽん

主催:

埼玉県

後援:

埼玉県教育委員会/川口市/川口市教育委員会

企画:

株式会社デジタルSKIPステーション

協力:

SNOW Contemporary、Victoria Miro、Corvi Mora

機材協力:

株式会社シネ・フォーカス

 

※地震や電力供給の都合により、開館時間の変更や、イベントが中止になる場合がございます。開館状況、イベント開催については、ホームページ又は電話でご確認ください。

このイベントに関するお問い合わせ

映像ミュージアム
048-265-2500